第4章 ふーせんください!
「次、悪戯する子ども」
明らかに不機嫌な声に変わった降谷も着ぐるみに近付いて行った
「どうせ中に人入ってんだろー?出てこいよー!」
「風船よこせー!」
ゲシゲシガンガンと蹴ったり叩いたり頭を取ろうとしてみたり、降谷も一緒になって悪戯っ子を演じている
いや、降谷は演じているというよりは黒いオーラを纏ってかなり本気に近いようだ
「ちょっ!待って、降谷さっ!ああァァァ…っ!」
━━ズテーンッ!
降谷の凄まじい攻撃によって倒れて行ったピ〇ポ君
「零さんやり過ぎ!」
「リュウの演技の方がやり過ぎだ!あんなに可愛くやれとは言っていない!!」
「かわっ!?可愛くってっ…!?」
演じろと言われたから演じたリュウもとばっちりである
降谷の攻撃を目の前に見ていた部下達も自分が着ぐるみ担当にならなくて本当に良かったと先程とは別の涙を流していた
そして倒れた永山はと言うと……
「天使が…悪魔が…」
風見に着ぐるみの頭を外してもらうと、鼻血を流しながら目を回していたそうだ
ちなみにその鼻血、天使の上目遣いを見た時のものなのか、悪魔に倒された時のものなのか、真相は本人にしかわからない……
END