第7章 後日お兄ちゃん見たいだと伝えれば、頭を撫でられた。
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「……栞を一生飼い殺しにするのは無理だ」
「マイキー…だけど…」
「ここの世界の女は男に囲われているのが当たり前の生活だから何とも思わねぇけど…あの子には無理だ、少しでも外に連れ出してやらねぇと精神的にやられる」
「……っ」
「ずっとお前が栞の面倒を見る、それはそれで別に構わないとは思うが…仕事はどうすんだ?」
「……」
「今はまだ家の中にいたとしても、差程違和感を感じないだろうが…もしも帰る事が叶わず数年経った時、家の中にこもりきりになった栞は必ず病むぞ」
「それは…」
栞が席を外してから、佐野万次郎と三途春千夜は今後の事を話し合う。なるべく外に出してやれ、今でも軟禁させた生活をしているのだからこれ以上制限させるなと言ったものだった。
「少し、聞いても良いですか?」
「なんだ」
「初めて会う栞に対して、随分と肩入れしますね」
「……素直過ぎて心配になるくらいの可愛い妹が出来たからな、お兄ちゃんらしく可愛がってやらねぇと損だろ?」
「そう、ですか」
そう言った佐野万次郎に、少し驚きと共に複雑な心境の三途春千夜は苦笑いでそうですかという言葉を漏らすしかなかった。