第2章 time travel
入ってきたのは龍宮寺堅、通称【ドラケン】だった。
「おれビックリしたもん!双葉さ、授業中にいきなり倒れるんだから!横の席で寝てたのに、それで起きちゃったもんな」
どうやら双葉は授業中に貧血で倒れたらしく、横の席だったマイキーによって保健室まで運んでもらってたみたいだった。
「さっきより顔色は良くなったみたいだし、世良さんもう帰っても問題なさそうよ」
「じゃ、双葉かえろっ!ケンチンもほら!」
「マイキー慌てんじゃねぇって」
『ケンちゃん……ほんとにケンちゃん……??』
双葉はドラケンの顔を掴みまじまじと見た。
「どうしたんだ?大丈夫か??」
「あーー!!双葉、ケンチンばっか!!おれも!!」
『ちょ、マイキーってば!!』
マイキーはそういうと、双葉をドラケンから引き離し、お姫様抱っこをした。
そんなやりとりを見ていた木村は呆れて、3人に早く下校するように急かした。
(そういや、この時マイキーって私にベッタリしてたっけ……)
そんなことを思いながら、双葉はマイキーが運転する自転車の荷台に座り、いわゆるニケツしていって佐野家へと帰っていった。
「ねぇ、双葉。今度の集会、お前も出るだろ?」
『集会?』
「東卍の集会。だって、お前……俺の補佐……だろ?」
(そうだ、私この時はまだ総長補佐としていたんだ)
これで人生がやり直せるのだとしたら。
今度は彼を助けたい。
そう双葉は誓った。
そして佐野家に到着し、当時の自分の部屋に入る。
『あ、は……なつかしい……』
ハンガーに掛けられていた私専用の特攻服。
本棚にはバイクの本、截拳道の指南書、警察官になるための本など色々とあった。
『この頃から受験勉強してたんだっけ……』
頭のいい学校に入り、ゆくゆくは東都大法学部へ進学。
その為にこの頃から東卍の集会も、その後の抗争も出なかったのだ。
(たしか……今度の集会って、他のチームとの抗争についてだっけ……?)
そんなことを考えていたら、急に耳鳴りがした。
───────キーーーーン
(え、やだ……また……)