第4章 Rally
「キレイだな」
『そうだね』
「いや、双葉がだよ?」
『え?』
マイキーの言葉に双葉は首を傾げた。
「だから、双葉が綺麗だなって」
そんなこと言われるとは思わなくて、双葉は顔を真っ赤にさせた。
マイキーは昔から思ったことはすぐに口に出してしまう。
それが恥ずかしいセリフであっても。
『よくそんな恥ずかしいセリフ言えるわね……』
「だって、双葉が綺麗だなって思ったから」
綺麗だ、なんて言われて嬉しい気持ちもあった。
褒められるのはやっぱりいいことだ。
だから、たまにお返しで双葉も言うことがあった。
『マイキー、カッコイイよ』
「とーぜん!」
だが、そんなのはマイキーに通用するわけでもなく。
むしろ自信たっぷりに言葉を返した。
屋根に置いていた手と手が触れていき、次第とマイキーとの距離が縮まる。
(あ……これは……)
「ねぇ、双葉……ちゅー、していい?」
マイキーは真っ直ぐと双葉を見つめ、真剣な表情で言ってきた。
双葉は恥ずかしながらもいいよ、と答えて2人の唇は徐々に近づいていった。
後数センチ、というところで双葉は耳鳴りがし始めて、思わず目を閉じてしまう。
─────────キーーーーーーーン
(え、耳鳴り…?!頭が……)
そして気がつくと屋根上ではなく、ベッドの上に寝転がっていた。
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