第4章 Rally
ある程度整理して、部屋を出ると万次郎が部屋の前にいた。
「ねぇ、シジュウハッテって知ってる?」
『しじゅう……なにそれ?』
何を言い出すんだと思った。
2人っきりになって初めての言葉がそれだとは。
でも当時の私はそんなことも知らず。
「シンイチローがそういう本とかに載ってるやつって言ってた」
『……?』
勿論意味がわからないので、当然首をかしげた。
「オマエ、シジュウハッテ知らないの??」
『だから何それ』
そう言うと万次郎は私の手をひいて、離れにある自分の部屋まで連れていった。
そして着くなり、そういうやつってえっちな本を見せてきた。
さすがに何も知らない私でも、いかがわしいことだってわかった。
それを見た瞬間、顔が真っ赤になってしまう。
『なんてもの見せるのよーーー!!!!』
そして万次郎の頬にビンタを食らわせる。
「いってぇーーー!!何するんだよ!!」
『初対面の女の子にこんなの見せるなんて……最低!!』
フン、と怒って部屋を出ていった。
万次郎への第一印象は
【最低】
だった。
さっきまでスゲェ!!とか言ってたから好印象だったのにね。
✱✱
「マイキー、お前にもそんなこと聞いてきたのか……そりゃあマイキーが悪いな」
『だからケンちゃんとの初対面でもそんなこと聞いてきたのを見て、呆れてたのよ……』
「あ、確かに呆れながら一緒にいたもんな」
『でもさ、女の子にそんなこと聞く?!しかも会ってそんな経ってないのによ!!』
「マイキー興味あるのにはとことん知りたがるからな……で、それで続き聞かせろよ。さすがにこれで終いじゃねーんだろ?」
『まぁ……』
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