第4章 Rally
«双葉 side»
私がマイキーのことを好きになったのって、真一郎くん死んでから廃人みたいになってしまった私のことをずっと気にかけてくれて、その上……その悲しみから救ってくれたからなんだよね……
だから今度は私がマイキーを救ってあげたい。
そう思った。
「そういえばさ、前から1度聞こうと思ってたんだけどよ……お前たちの初対面ってどんななんだ?」
アイスコーヒーを飲みながらケンちゃんは私にそう聞いてきた。
『あれ?言ってなかったっけ?』
「あぁ。それにお前のこともあんま聞いたことなかったしさ」
『そっか。マイキーの家に居候してて、私がイギリスと日本のクォーターってことは知ってるよね?』
「それは初めて会ったくらいに聞いた気がする」
そういえば、ケンちゃんとか他の人に私の昔のこととか話したことないんだっけ……
マイキーとの出会いも変なこと聞かれたのが最初だった気がする。
ケンちゃんに5年前(現代から換算すると17年前)のことを話した……
✱✱
2000年、夏。
ずっとイギリスに住んでいた私たち家族は、避難するべく日本へと飛び立った。
その原因は、アメリカであったアマンダ・ヒューズ、羽田浩司が殺害された事件のことを私の父…赤井務武が調べていた。
だが、その事件を追っているととある大きな組織に辿り着き、目をつけられその後失踪した。
その後、母メアリーに日本に避難するようにメールを送り、母、兄の秀一、秀吉、私の4人で飛行機に乗り日本へ向かうことになった。
日本に着くと、秀一兄さんは母にアメリカに留学したいと話していた。
最初は母も反対していたが、秀一兄さんの熱意などに負けてしまい、渡米するのを許した。
当初は秀一兄さんもいる予定だったので、当然私も一緒に暮らす予定だった。
だが、秀一兄さんが渡米して、母は妹を妊娠中、兄とはいえ一個上の秀吉と私の面倒を見るのは厳しい、そして3兄妹の中で私だけが見た目が目立つこともあり、私だけが知り合いの家に引き取られることになった。
とはいえ、羽田さんのとこは危ないので、羽田さんの知り合いである佐野家に引き取られることになった。
そして佐野家に母と秀吉と3人で挨拶に行くことに。
母はインターフォンを押して、応答を待っていた。
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