第3章 contact
ヤンキー共が立ち去ると、暴行されそうになっていた女性の元へと歩いていって女性の体を起こしてあげる。
『大丈夫ですか?』
「あ、はい……ありがとうございます」
『そちらの方はどうですか?』
「俺もなんとか……」
『手当てをしましょう』
双葉は2人を手当ていていく。
男性の方は殴られているものの、思ったより大したことはなかった。
だが、女性の方は……
『もしかしたら足にヒビが入ってるかもしれませんね。応急処置は済ませましたが、一応2人とも病院に行かれた方がいいと思います』
「ありがとうございます……!貴方が来なかったら、俺も彼女も無事では済まなかったと思います!」
「あの、お礼でも……」
『いえ、僕は大したことはしていませんからお礼なんていりませんよ』
「ではお名前だけでも……」
『名を名乗るほどの男ではありませんから。それでは……』
そう言いつつ双葉は2人の元を去っていった。
まさかその2人が東京卍會のメンバーに関わっていたなんて、今の双葉には知る由もなかった。
「あの眼鏡ヤロー……覚えてろよ……」
✱✱
『ただいまー』
あの後移動をした後に変装を取り、帰宅をするとエマが出迎えてくれた。
「おかえりー双葉姉。帰ってくるなり急いで出ていったから、どうしたって思っちゃったよ」
『あー…ゴメンゴメン。ちょっと急ぎの用事で新宿に行っててさ』
「何何?なんか洋服とか買ってきたの?!」
『大したものじゃないよ。それよりマイキーは?』
「晩御飯食べ終わったあと、自分の部屋に行ったと思うよ」
『ありがと』
エマにそう言い、自分の部屋に買ってきた変装道具を置くとマイキーの部屋がある離れの方に向かっていった。
部屋に入るとマイキーは雑誌を読んでいた。
『ただいま、マイキー』
「おかえり。珍しいな、双葉が学校から帰ってきてから出かけるなんて」
『急にできた用事だったからね』
「ふーん……そういや、たけみっちに連絡先教えただろ!」
『うん、あの時に連絡先交換した』
マイキーはたけみっちだからいいけどさ!と不貞腐れていた。
どうやら双葉の連絡先を知っている男が増えるのが気に入らなかったらしい。