第3章 contact
変装道具をある程度揃え、一度変装してみるかと駅の公衆トイレ(誰でも入れるやつ)に入り、変装をし始めた。
そして20分後、変装は完成した。
変装するに当たり、この時代にいる人はできない。
と、なると。
『やっぱりこの人になるよなぁ……』
変装した人物、それは現代で兄が変装している沖矢昴だった。
……正確にいえば、沖矢昴に似せた中学生と言うべきか。
こっちに来てから初めての変装。
なかなかの出来だと自画自賛しつつ、トイレを出て街を歩いていった。
裏路地に差し掛かったときに、遠くで誰かの叫び声が聞こえてきた。
双葉はその声の元まで走っていき、たどり着くと白い特攻服を着た男数人が女性に暴行しようと押さえつけていた。
その横ではその女性の彼氏であるみたいで、別のヤンキーに殴られていた。
もちろんそんなこと双葉が黙ってる訳もなく。
声はちょっと地声より低くし、沖矢昴っぽく声をかけた。
『すみません、そこの女性……嫌がってるじゃないですか』
「アァん?!なんだテメェよぉ」
「ガキは引っ込んでろ!!」
『女性が暴行されているのを黙って見過ごせませんよ』
「テメェもボコボコにされてぇみてぇだなぁ……おい、殺れ!!」
その場にいるリーダー格のヤンキーが下っ端に指示をし、双葉に襲いかかる。
『やれやれ……そっちがそのつもりなら、僕だって容赦しませんよ』
襲いかかってきたヤンキー共を双葉は難なく蹴り倒していった。
その様子をみたリーダー格のヤンキーが双葉の方を見て、驚いてる様子だった。
「ガキが……調子乗ってんじゃねええぇぇ!!!!」
その場に転がっていたバットを手に取り、双葉の方へ振りかぶっていくが、双葉は蹴りでバットを弾き飛ばし、そのまま回し蹴りでヤンキーをノシていった。
そして残ったのは1人だけで1番弱そうなヤンキーだけだった。
そのヤンキーに近づき、双葉は仲間を連れ去っていけと言う。
『まだ僕とやりますか?……まぁ、そっちがその気なら……両の眼をえぐってやろうか……?その後でいいならいくらでも話を聞いてやるぞ』
「ヒィッ……!!」
そして双葉に倒された仲間を担いで、ヤンキーどもは逃げていった。