第3章 contact
人だかりができているとこにヒナタも気づき、タケミチたちの元へと向かっていった。
マイキーが話を進めていく中、タケミチはタケミチでこれはチャンスでマイキーに近づければ稀咲との出会いを止められるかもしれないと考えていた。
「じゃ、いこっか」
「ちょっと待って!!」
ヒナタの制止の声に振り向く3人。
ヒナタはそのままマイキーの所まで歩いていき、マイキーの頬をビンタした。
その瞬間場の空気が代わり、タケミチの顔も変わっていった。
そしてヒナタはタケミチの手首を掴み、こんな人たちの言いなりになっちゃダメと言いながらマイキーたちから離れさせようとしていた。
「ヒナが守ってあげる」
「ヒナ……」
タケミチを掴んでいる手は微かに震えていて。
ヒナタも心の中では怖いと思っていたのかもしれない。
だが、そんなヒナタに対してドラケンがヒナタの手首を捕まえる。
「オイ……殺すぞガキ。いきなりぶん殴っといて、ハイサヨナラ?ふざけんなよゴラァ」
「ふざけてるのはどっちですか」
「あァ?」
「よその学校に勝手に入ってきて、無理やり連れ去るなんて。友達のすることではありません!」
ヒナタは最近怪我してばっかのタケミチのことを心配していた。
もしその原因がマイキーたちにあるというのなら、許さないと。
タケミチはドラケンの肩を掴み、声を振り絞ってその手を離せと言ってきた。
「何言ってんのか聞こえねぇよ?!」
「クッ……」
その時、タケミチの脳裏にはヒナタの笑顔が。
そしてヒナタが守ってあげると言っている姿が。
「その手を離せって言ってんだ、馬鹿野郎!!」
(今度のオレは、ヒナのこと守るよって約束したかんな)
「テメェ……誰に向かって口聞いてんだァ」
ドラケンはタケミチのことを睨みつけ、凄んで言ってくる。
だがタケミチは一歩も引かずにいた。
「もう二度と……譲れねぇモンがあんだよ!!」
「は?二度と?」
ドラケンはタケミチから離れ、マイキーもまたそんなタケミチを見ていた。
「あーあ、せっかくダチになれると思ったのになぁ、残念」
そしてマイキーの表情は一変し。
「……さて、どうやって死にてぇ?」
「……っ…」
その言葉にタケミチは息を飲んだ。