第3章 contact
『まだ、だめ……』
「なんで?双葉のこと、こんなに好きなのに?」
『だって…………こわい』
行為そのものが、というより。
行為をしたことによって変わってしまうんじゃないかという不安。
それだけでいっぱいだった。
「分かった。……双葉が大丈夫になるまで待つから」
『……マイキー、ありがと…』
そのかわり、その時がきたら覚悟しろよ♡
とマイキーに笑顔で言われて、何も言い返せない双葉であった。
そしてエマに晩御飯できたと呼ばれて、ダイニングへ向かい、家族4人でごはんを食べていくのであった。
✱✱
翌日、給食を食べ終えたマイキーとドラケンは学校をフケてタケミチ達が通う大溝中へと向かっていったのだった。
もちろん、双葉も誘われたのだが、双葉は授業サボってまで行きたくないと言い、その場は断った。
(私までサボったら、今度のテスト誰がマイキーに教えないといけないのよ)
双葉は東京卍會に入っているものの、普段はちゃんと勉学に励んでいる学生だ。
まぁ、今の双葉は27歳の中身なわけなので、少しくらいサボっても影響はない。
だが、そうなったら通知表や内申点に響く。
高校入れなかった、じゃ済まされないし、ここで高校行けなかったら夢である警察官になることも、その為に東都大法学部へ行くことも、叶えられなくなる。
さすがに過去の自分に辛い思いをさせたくない、こんなことで自分の未来が変わっていくのはダメだ、と思い真面目に授業は受けているという。
(あ、とりあえずマイキー達がそっち向かったって連絡しとこ)
携帯を先生に見つからないように取り出し、素早く文字を打っていきメールを送信。
(でも今向こうも授業中だよね?じゃあメール見るの遅くなるか……失敗したや)
タケミチくんドンマイ、と心の中で思いながら、双葉は再びノートに書き込みをし始めた。
✱✱
一方タケミチの方では、数十分後マイキーが溝中の先輩をのしてタケミチの教室へと強引に入っていっていた。
(めちゃくちゃだ……この人)
そしてそのタイミングでメールが届いたのを気づき、タケミチは確認する。
(あ、メール来てる……え?!双葉ちゃん??)