第3章 contact
「双葉姉おかえり!!……ってマイキーなにしてんの?」
『マイキーがしがみついて離れてくれないからどうにかしてくんない?』
「マイキー……双葉姉から離れなよ」
「やだ!おかえりなさいのちゅーするまで離れないもんね!!」
『さっきからこの調子よ……だからさ、晩御飯作るのエマに任せていい?』
「いーよ!それくらい。マイキー、あんま双葉姉困らせないでよー」
『じゃあ私このまま部屋に行くから』
マイキーに抱きつかれたまま、双葉は自分の部屋へと歩いていく。
キスしてもらえずそのまま放置されて、マイキーはちょっと拗ねていた。
その様子に折れたのか、部屋に入ると同時にマイキーにちゅっと頬にキスをした。
『これでいいでしょ』
「やだ……口がいい……」
『はぁ……しょうがな……んっ!』
しょうがない、と言い切る前にマイキーに口を塞がれてしまう。
浅いキスから始まり、徐々に口が開き舌を絡めていく。
双葉は離れようとマイキーの胸元を押すが、逆にマイキーに後頭部を掴まれ逃げられずにいた。
舌を絡めていき、ピチャピチャと音を立てて深いキスをしていくマイキー。
双葉は息継ぎが上手く出来なく、次第に頭がぼーっとなってしまい、力が抜けて膝が崩れ落ちそうになってしまう。
双葉の口からは2人の絡みあった唾液が滴り落ちていく。
マイキーはそんな双葉の越しに手を回し、自分の手で双葉を支えていく。
ようやく、唇と唇が離れると双葉は肩で呼吸するかのようにハァハァ…と息を荒らげてしまっていた。
そんな双葉を見て、マイキーはそのまま首筋に舌を這わせ、行為をしようとしていた。
『ちょっ、マイキー……ってば、まっ…て!』
「やだ。双葉ってば、ちょーエロい顔してんだもん。むり。したい。」
自分に欲情しているマイキーの姿を見て、双葉は少し震えていた。
双葉には経験がないのだ。
過去の中学生のときも、もちろん大人になってからも。
13歳の時に真一郎に途中までされたのが最後で、その後はこういう機会がなかった。
だから、いくら大好きなマイキーでさえ、怖いと思うのだ。