第3章 contact
「この人は!!東京卍會創立メンバーの1人であり、東京卍會総長補佐、別名【東卍最強の姫】の世良双葉さんだぞ!!!!」
『そんな、最強だなんて大袈裟だよ。姫って柄でもないし』
双葉は謙遜しているが、その実力は本物である。
あの無敵のマイキーと同レベルの強さだと噂されたりしている。
(そんな凄い人だったんだ……双葉ちゃんって)
改めて、双葉の凄さに驚いているタケミチだった。
『これで、キヨマサくんからパシられずに済むでしょ?もし、また何かされたら私に言いなさい!その時は私がフルボッコにするから』
言葉とは裏腹にすごい笑顔で5人に喋っている双葉。
たしかに最強の名は伊達じゃないかもしれない、そう思った5人だった。
『あ、そうだタケミチくん』
「あ、はい!」
『ケー番教えてくれない?』
「……あ、はい!」
そう、タケミチを手当てした理由。それはタケミチと連絡先交換が目的だった。
その目的を忘れていたタケミチは慌てて携帯を取り出して、連絡先交換した。
『じゃ、何かあったら連絡してね〜』
じゃーねーと言いながら双葉は5人の元を去っていった。
そして双葉と連絡先交換したタケミチに対して、5人はめちゃくちゃ羨ましがっていた。
「いーなぁ、タケミチ!最強の姫と連絡先交換してさ!」
「おまえ、橘にもモテてたし、何でこいつばっかモテるんだろ……」
「少しはそのモテ運よこせ!!」
「別にモテてるわけじゃないから!」
「じゃあ橘に言っちゃおうかなぁ〜」
「それだけは止めて!!」
そして5人は途中で別れて、帰宅していった。
✱✱
タケミチたちと別れた後、双葉は佐野家に帰宅していた。
『ただいまー』
「双葉、おかえりいいいいいい」
帰宅したタイミングでマイキーが双葉に飛びついてきた。
『はいはい、ただいまマイキー。とりあえず離れてくんない?』
「おかえりなさいのちゅーしたら離れる」
『ハァ……ちょっと、エマー!』
マイキーの言葉を無視して、家に上がりながらエマを呼ぶ。
その声に呼ばれてエマは玄関へと向かってきた。