第2章 time travel
『エマ、ただいま!』
双葉はギュゥ、とエマのことを抱きしめ、もう1人の妹に再び会えたことに嬉しさを覚えていた。
「え、双葉姉どうしたの?」
抱きしめられて、エマは戸惑いを見せた。
それもそのはず。
エマにとっては今朝マイキーたちと一緒に学校に行っていたのだが、双葉にとっては12年振りの再会だ。
そして佐野家を出たあと、エマが亡くなってからは1度も墓参りに行けていない。
色んな思いがあって、しばらくエマを抱きしめていた。
「ねぇ、マイキー……ウチ双葉姉になんかしたっけ?」
「知らねーよ」
双葉は気が済んだのか、抱きしめていた腕が離され、エマを解放した。
『ごめん、なんかエマ見たら抱きしめたくなっちゃって……』
「ウチにできることあったら言って?ウチでよければ相談乗るよ?」
『ん……、ありがとエマ。大丈夫』
「なら良かった!」
『じゃあ晩御飯作ろっか!』
「うん!」
双葉とエマは早速晩御飯の支度に取り掛かる。
マイキーはその間風呂に入ってくると言って、風呂場へと向かっていった。
晩御飯が出来上がるタイミングで、道場の方から祖父の万作がやってくる。
マイキーもシャワー浴び終え、髪が濡れている状態でダイニングへとやってきた。
『マイキー!もー、髪乾かさないとダメって言ってるでしょ』
「だから双葉が乾かしてよー」
『ハイハイ……』
呆れながらもマイキーの髪をドライヤーを使って乾かし始める双葉。
実はマイキーは双葉に髪を乾かしてもらう時間が1番好きだった。
5分くらい経ったあたりでだいぶ乾いてきた髪の毛。
フワフワでちゃんと乾かさないとすぐに絡まってしまう髪質。
双葉は乾かしながら櫛で梳かして、マイキーの髪を整えていった。
「ん、ありがと双葉」
『どういたしまして。それじゃ、ご飯食べよ』
4人がダイニングに座ると手を合わせていただきます、と言い晩御飯を食べていった。
そして晩御飯を食べ終え、食器を洗い終えると双葉は自分の部屋に入った。
そして窓を開けて夜空を見上げていた。
(今の……こののどかな平和を、未来でも続けていきたい)