第2章 time travel
(その為には稀咲鉄太とマイキーを接触させない。でも、稀咲鉄太って一体何者……?)
そう思っていたら、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
そしてドアが開かれるとマイキーが部屋に入ってきた。
「エマが風呂上がったから、双葉入ったら?」
『あ、うん……』
「どうした?夜空とか見て」
『この先、どうなっていくんだろうなぁって考えてたとこ』
「何ソレ。でもさ、そんなのわかんないじゃん。先のことなんてさ」
たしかにマイキーの言うとおりだ。
「双葉にはなりたいものがあるんだろ?警察官っていう夢が」
『そう、だね』
「じゃあそれに向けて頑張ればいいだけ、だろ?」
普通に考えたらそうだ。
でも双葉には他に目的があるのだ。
だからこんなことを考えてしまうのかもしれない。
『マイキーはさ、夢ってあるの?』
「夢?」
『うん、夢』
双葉の言葉に少し考えて、マイキーは答えた。
「不良の時代をまた作りたい。今は不良がダッセェとか言われてるけど、でも……そんな時代を作る人でいたい」
『それじゃ、私とマイキー……全くの正反対の夢だね』
ふふっと笑いながら喋る双葉を見て、マイキーも同じように笑い「そうだな!」と答えていった。
(マイキーが作る不良の時代って、多分自分の居場所ができるようにっていう意味なんだろうな……)
いつの時代も不良というだけで、社会の不適合者、社会のゴミ、犯罪予備軍だなんて言われてきているが、少なくともこの頃の東京卍會はそう言った犯罪予備軍なんて言われるようなことはやっていない。
自分たちの居場所を守るため、そして仲間を守るために存在するのだ。
だが、他の暴走族のチームはそうじゃないのもあるのが現実。
暴行、恐喝と犯罪めいたことを平気でやっているチームもあるのだ。
もしかしたら、今後東卍とどこかのチームの抗争が原因で東卍が変わってしまうのだとしたら。
それだけは避けなければならない。
そう思いつつ、双葉はシャワーを浴び終え、早めに就寝するのであった。
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