第2章 time travel
双葉が目を開くと、目の前には机と椅子。
そう、教室の自分の席に座っていたのだ。
そして携帯の画面を確認する。
(2005年7月6日の16時18分……そうか、下校時間って訳か)
どうやら、帰りのホームルームが終わって生徒たちが下校している時に飛ばされたようだ。
双葉が携帯画面を見ていたら廊下の方から双葉の呼ぶ声が聞こえてきた。
「双葉〜、ホームルーム終わったんなら帰ろーぜ!」
『あっ、マイキーにケンちゃん』
ちなみにマイキーは同じクラス、ドラケンは隣のクラスである。
マイキーは給食食べ終えた後、眠いからと言ってホームルーム終わるまで屋上で昼寝していた。
ホームルームが終わり、ドラケンが屋上までマイキーを起こしに行き、そして双葉がいる教室まで来たというわけだ。
『毎回マイキー迎えに行ってくれてありがとね、ケンちゃん』
「まぁ、こいつ起こすの日課みたいなモンだしな」
『たしかに、言えてるね』
「じゃあ次からは双葉が起こしに来て!んで、ちゅーして起こしてよ♡」
『は??』
マイキーの発言に双葉は一瞬ドスの効いた声が出てしまった。
それを聞いたマイキーはヒィッとドラケンの後ろに隠れてしまう。
「双葉が怖いよ〜〜ケンチン」
「今のはマイキーが悪い」
「えっ、何ケンチン双葉の味方なの?!」
その後は笑いながらも自転車で帰っていった。
途中でドラケンと別れて、2人は佐野家へと帰っていく。
「ただいまー」
『ただいま』
「おかえりー!マイキーに双葉姉!」
2人の声に出迎えてくれたのは、マイキーの妹のエマだった。
エマは双葉のことを実の姉のように慕っており、【双葉姉】と呼んでいた。
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