第2章 time travel
「とりあえず、一度整理しましょう」
現時点でのタイムリープについて整理をしてみた。
タイムリープは12年前の同じ日にしか戻れない。
つまり今日なら2005年の7月6日に戻るということだ。
トリガーはナオト、タイムリーパーであるタケミチが過去または現代のナオトと握手することでタイムリープできる。
現代から過去へタイムリープする場合、同じくタイムリーパーである双葉はタケミチの近くにいないとタイムリープできない。
だが過去から現代へ戻る時はどこにいても関係なく一緒に戻ることができる。
「また戻ってくる時の条件は特にないですが、タケミチ君……一度現代へ戻る時は双葉さんにその事を伝える事。でないといきなり現代へ飛ばされても可哀想ですし」
『それが有難いかも。何かやってる最中とか本当勘弁』
「わかったよ。でもどうやって伝えればいいんだ?」
『佐野万次郎と君が繋がりができれば、必然的に私とも繋がる。接触するまでは、なるべくは万次郎と共にするつもりだけど、万次郎たまに学校フケる時あるからなぁ……』
双葉は呆れ顔で言い、頬をポリポリと掻く。
『過去で東卍に関わり合いある人物と接触ってしてるのか?』
「それなら……キヨマサ君が……」
『あー……東卍にそんな奴いたっけ……まぁ、それなら私もこっちから何かしらで接触できるな』
タケミチはキヨマサの名前を出した瞬間、表情が暗くなった。
キヨマサに対していい思い出がなかったからだ。
「それでは準備はいいですか、タケミチ君、双葉さん」
「あぁ」
『私はいつでもいいぞ』
「佐野と稀咲、2人は12年前の8月に出会っています。何とかしてでも2人の出会いを止めてください」
「おぉ、なんとかしてみるよ……」
『私もできる限りはする』
(だが、私の知らない所で出会ってしまったら……そうならないためにも……マイキーは私が救ってみせる)
双葉はそう固く誓った。
そしてナオトとタケミチが握手をして、双葉から耳鳴りがし始めた。
──────キーーーーン
(必ず、現代(みらい)を変えてみせる)