第2章 time travel
『ごめんなさい……その頃から受験勉強に専念していて、東卍の集会とか行ってないの……だから稀咲鉄太のことも知らなくて……』
「そ、そうですか……すみません、声を張り上げてしまい……」
ナオトは双葉から離れて、反省をした。
そして2日かけて、タケミチに東卍について徹夜で頭に叩き込ませていた。
その間、双葉は徹夜続きの日々だったため身体を休める為に仮眠を取った。
「なぁ、ナオト……」
「なんですかタケミチくん」
「双葉ちゃんって、なんで東卍追っかけてるんだろ……」
「公安警察はテロなど国を守るための組織ですからね……それで東京卍會も追っているのでしょう」
「それにさ、10歳の時に佐野家に引き取られたって言ってたけど……双葉ちゃんの目って明らかに他の人とは違う目してるよな?なんつーか……外国人みたいな……」
「たしかに……なぜ引き取られたのかも気になりますが……」
そのタイミングで双葉が目を覚まして2人に声をかけてきた。
『私のこと、知りたい?』
「あ、双葉ちゃん!」
『どうして、私が佐野家に引き取られるようになったのか、どうして私の目がこういう目をしているか……』
双葉は自分の生い立ちを2人に話した。
元々はイギリスに住んでいたこと。
母がイギリスと日本のハーフで、自分はクォーターだということ。
家の事情で日本に避難し、父の友人の知り合いである佐野家に引き取られたことも。
そしてなぜ公安警察に入った理由も。
「そして、調べていくうちに、その組織と東京卍會が関わり合いあるかもしれないことにたどり着いた」
『えぇ……父が調べていた組織は今、他の公安の者とFBI、CIAと各国で追っているわ』
「東卍よりすごいじゃんその組織って……」
『表立って悪事を働くのが東京卍會だとしたら、追っている組織は裏で悪事を働いてるのよ……』
だから東京卍會はニュースにも取り上げられるが、例の組織に関しては何も情報が来ない。
それどころかその組織の存在を知ったものは次々と消されていく。
だから誰もその存在を知らないのだ。