第2章 ふたりぼっち
ナデシコはポタリポタリと涙を流す。
「カカ?どこか痛い?でもカカの傷ってすぐ治るんでしょ?」
キチベエは心配そうにナデシコを見つめた。
「えぇ、大丈夫よ?」
涙を拭いにこりと笑顔を見せる。
ナデシコはキチベエに自分の不老不死のことや血の繋がりはないことを話していた。
彼は最初驚いたもののすぐにそれでもカカはカカだと笑ってくれた。
それに対してナデシコの心は幾分救われた。
『でもおれが先に死んじゃうのかな?カカを置いていくのはなんだかいやだなぁ…』
そう言って口を尖らせたのもナデシコは覚えていた。
「ところでおでん様が世界を旅して回ったってみんな言ってるんだよね。
いいなぁ〜おれも世界を回ってみたいなぁ。
そうすればいつかカカみたいな人も絶対いるよ!」
キチベエに言われナデシコは「いつかね…」と微笑んだ。
その運命の歯車がすぐに動き出すことも2人はまだ知らず