第6章 実力がモノを言う
奇襲とかは苦手だったが自分の身を守るためにキチベエから教わっていた薙刀を久しぶりにやってみると少し楽しかった。
なんだか、キチベエと同じくらいの子にやられてしまうなんてあの子が聞いたらなんて呆れられるかとは思ったがあの時よりは確実に強くなっているはず。
伊達に2年、3年。息子からしごかれていない。
とは思っていてもしばらく海賊のお世話になるなら自分の身を守る以上に強くならなければならない。
「ハァ!」
勢いよく薙刀を振り下ろしてからすぐに向きを変え上に振り上げる。
「おーやってるな。」
その様子をシャチとペンギンとベポは眺めていた。
「やる気は十分だし筋もしっかりしている。」
「すごく綺麗だなぁ…」
ペンギンは観察が得意なのかじっとその様子を見ていた。それに対してシャチはなびく大きめの群青色の三つ編みを追っている。ベポは何を思ってるのかよく分からない。
汗がキラキラと舞い散り三つ編みが揺れる。
薙刀を回転させるとまた攻撃をするかのように動いた。
3日でもっと強くならなければ足でまといになる。
自分の実力や海賊たちに通じるかを確かめられるチャンスだが危険と背中合わせなのも事実。
(生きるため…!)
青年たちに遅れを取らないようにナデシコは必死に薙刀を振った。