第4章 青年たちは海賊団
目を覚ますとベポが顔を覗き込んでいた。
「よかった!目が覚めたんだね。
キャプテンはパニック障だからって言ってたけど、どうしたの?なにかあった?」
ムクリと起き上がると少し頭が痛くなって思わずナデシコは頭を抑えた。
「大丈夫?」
「えぇ…大丈夫。ちょっとあの部屋で嫌なことを思い出したの」
「そっか…」
コンコンとノックがされる。
「ベポ、話し声が聞こえたんだがあいつの様子は?」
ベポがドアを開けるとそこにはローが立っていた。
「キャプテン、ちょっと手術室で嫌なこと思い出しちゃったんだって。」
ローはナデシコをじっと見た。
「お前が何を隠して何を背負ってるのかは知らねぇが、この船は言わば病院みたいなものだ。
もう一度言うが、おれ達はお前に危害を加えるようなことはしない。」
ローの言葉にこくんと頷いた。
「さて、一先ず落ち着いたならおれ達はまた1度食料を探しに行く。
ベポ。お前がそいつと一緒に船にいろ。なんかあったら小型電伝虫で伝えろ。」
「アイアイ!」
「あ、あの…」
「なんだ?」
「保存食とかがさっきの小屋の床下にあるので持ってきて貰えませんか?」
ローはフッと笑った。
「あぁ。分かった。では改めて歓迎しよう。
ハートの海賊団へようこそ、客人。」
帽子を取って軽くお辞儀するとスタスタと船を出ていった。
「キャプテン、なんの真似なんだろう?らしくなかったような?」
ベポはキョトンとしていた。