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【東京卍リベンジャーズ】One Heart

第4章 総長と副総長


あれから1週間と少し経った、8月1日───


「お待たせ、ケン」


「…おー」


アタシは、「タケミっちん家にお見舞いに行こう」とドラケンを誘い、二人で待ち合わせた。


お見舞い品かな?ドラケンは一玉のスイカを持ってきてる。


「オマエ、オレと会ってていーのかよ」


「うっ」


ドラケンに痛いトコ突かれて、アタシは思わず肩が跳ねた。


怒れるマイキーの顔を想像する……正直めっちゃ怖い。


「ホントは良くないけど……まぁ、今日は大丈夫だよ。多分」


「多分ねぇ」


参謀として出来る限りの事をしながらも、マイキーの傍で大人しくしてた数日間……それを経てやっと、マイキーの監視の目が緩まった。


だから今日、エマにお願いして口裏を合わせてもらい、マイキーに「エマと二人で買い物に行く」と嘘をついて、ここに来た。


ちなみにエマは、ヒナちゃんとこに遊びに行ってる。


「アタシの誘いに乗ったって事は、ケンも話したいって思ってくれてたって事でしょ?」


アタシが聞くと、ドラケンは「気分転換だ。気分転換」とテキトーな言い訳をしながら歩き出した。


アタシは置いてかれないように、ドラケンの隣を歩く。


周りに人影がないことを確認しながら、アタシはドラケンに本題を切り出した。


「東卍が、真っ二つになりかけてる。アンタ達の喧嘩のせいで」


「………」


ドラケンからの反応はないけど、アタシは構わず続ける。


「いつも一緒にいた二人が、一緒にいない。その上、顔を合わせれば一触即発な険悪さ……どんなヤツでも、一目見ればアンタ達が揉めてるってわかっちゃうような状態」


総長と副総長がそんな状態じゃ、隊員達に隠し通すなんて不可能だった……


どんな手を使ってでもパーちんを助け出したいマイキーを支持する“マイキー派”と、自首したパーちんの覚悟を大事にしてやりたいドラケンを支持する“ドラケン派”に。


今じゃほとんどの隊員達が、そのどちらに着くかで意見を割ってしまってる。


「アタシや三ツ谷達の呼びかけで、今のところ隊員同士の争いは起こってないけど……抑えるにも限界があるよ」


「………」


「だから──!」


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