第3章 東卍の危機
場地は、マイキーの話には反対の様子。
「パーは自首したんだぞ?」
「出してやれんなら出してやりゃいーじゃねーか」
場地の眼光も軽く受け止めながら、スマイリーは平然と返した。
「パーの覚悟は無駄に出来ねえだろ」
三ツ谷も反対を口にする……声は落ち着いてるけど、その眼光は場地と同じく鋭い。
いつのまにか隊長達の間にも険悪な空気が流れ始めてる事に、アタシは頭を抱えたくなる。
どいつもこいつも…‼︎
「ケンチン──」
そうしてマイキーが口にしたのは、昨日ドラケンに言ったのと同じ事……言葉は同じでも、昨日とはワケが違った。
「オマエ、東卍に楯突くの?」
「これが総長の決定ならな」
「っ──!」
ふざけんな!!!
ガシガシッ!
アタシは今度こそ割って入って、両手でマイキーとドラケン、二人の腕を掴んだ。
「いい加減にしてよ、二人とも‼︎アンタ達が争う理由なんて無いでしょ⁉︎」
「ユウ、離せよ」
「テメェは黙ってろ」
「うるさい!!!」
アタシは二人に一喝して、キッとドラケンを睨み付ける。
「ケン‼︎副総長が総長の敵に回ってどうすんの⁉︎いつも冷静なアンタらしくもない!」
「オレは…」
「マイキーも‼︎」
ドラケンの言い訳を聞く前に、今度はマイキーを睨んだ。
「総長がそんな頭に血ぃ昇らした状態で命令しても、アタシ達は従えないからね!」
二人の肩を押して、距離を離させる。
「この話は、参謀のアタシが預かる。今日は解散!」
「勝手に決めてんじゃ……」
「解散だっつってんの!!!二人とも頭冷えるまで、接触禁止‼︎わかったらサッサと帰れ‼︎」
怒鳴って、怒鳴って、怒鳴って、アタシはマイキーとドラケンをそれぞれ愛機に乗せて帰らせた。
本当ならアタシ程度の腕力じゃ二人は微動だにしないんだけど、アタシがよっぽど怒ったからか、気圧されるように二人は渋々従った。
かなり無理矢理な形だったけど、あのまま話し続けさせるより大分良かったと思う。
「あ゙〜〜もうッ‼︎」
拝殿前の広場に戻ってすぐ、アタシの口からは鬱憤を晴らすような大声が出た。
「おい、大丈夫か?」
「その質問本気?これが大丈夫に見える⁉︎」
「!いや、悪ぃ…」