第10章 10月31日
ICBMのヤツらを呼んで阪泉を預け、踵を返して戻る……既に、東卍と芭流覇羅は入り乱れ、あちこちで戦闘が起こっていた。
「圭介はどこに……」
「マイキー!!!!」
「!」
一虎の声……‼︎
アタシは、周囲に注意しながら声の先に目を向ける。
そこには、一虎がマイキー目掛けて拳を振る姿があった。
「死ねコラぁぁ‼︎」
ガッ
けどその拳は、ドラケンに止められマイキーには届かない。
「テメーがマイキーに手ぇ出すなんて、100年早えぇんだよ!!!」
「ドラケンっ‼︎」
予想通り一虎はマイキーを狙って来たけど、半間は……
アタシの目に、ドラケンの後ろに近づく大きな影が見えた。
「ケン、後ろっ‼︎」
「!」
アタシが声を上げると、ドラケンがバッと後ろを振り向く。
ド
「!つっ」
けどそれは間に合わず、その影・半間にドラケンは蹴り付けられてしまった。
半間の蹴りを受け止め、ドラケンの上体が僅かに揺らぐ。
「ヒャハ!テメーの相手はオレだ、ドラケン」
「上等だよ、半間ぁぁ」
「マイキーはテメぇに任せたぞ‼︎一虎!!!」
一虎に向かってそう叫んで、半間はドラケンに目を向けニヤニヤと笑う。
「楽しませろよぉー、副総長」
「嬉しいぜ!久しぶりに本気になれそうだ!」
半間にドラケン、一虎にマイキー……こちらとしては予定通りの展開だけど……
「マイキィィ‼︎この日ずぅぅっと待ってたぜ!!!」
「手加減しねぇぞ、一虎」
胸が騒ついて止まない……アタシは、睨み合うマイキーと一虎から目を逸らし、自分の胸に手を当てた。
早まる鼓動はまるで焦りのように、乱戦の中に目を走らせアイツの姿を探す。
「圭介…‼︎」
アタシも早く、場地を見つけないと……
入場の時も、目ぇ凝らしたけど見つけらんなかった……相当後ろの方に身を隠してたんだろう。
あーもう、何でいつもみたいに先陣切って特攻してないんだよバカ!!!
敵に言っても仕方ない事を、心の中で詰った。
「オラあァ‼︎」
「!」
芭流覇羅の隊員一人が、アタシに殴りかかってくる。