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RECOLLECTION【BLEACH】

第2章 Gears turn(前日)


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そうやって紫苑と稽古を重ねて3ヶ月。
無事霊術院に入学した紫苑は、これまたたった3ヶ月であっという間に卒業にこぎつけた。

今日再び鯉伏山で紫苑と会っているのは、護廷十三隊への入隊の報告を聞くためだ。


『十番隊に、配属されるそうです。』

紫苑は、静かにそう告げた。


あの甘味処での出来事が、ルキアの脳裏に浮かぶ。
ルキアの中で、何か点と点が繋がったような気がした。


(紫苑は、”ある目的のために”死神を目指している…)


あの時と同じ言葉を、心の中で反芻する。


「そうか、おめでとう。てっきりうちの隊に来るものだと思っていたが…十番隊なら安心だな。」

ルキアは微笑んで、紫苑の肩に手をやり言った。


紫苑はいつもの遠慮がちな笑みを見せながら、『私も十三番隊かと思ってました』と返す。


(…?…本人の配属希望じゃないのか…?)

不審に思ったところで、ルキアの脳裏にある人物の顔が浮かんだ。

(もしや…浮竹隊長……強引な手を使ったのではあるまいな…)

温厚そうに見えて、以外と大胆なところがある男だ。
ルキアはこの件については言及しない事にした。


「入隊はいつなのだ?」

『明日、挨拶に伺うことになっています。』

紫苑の声は落ち着いていたが、どことなく緊張感が見て取れた。
その瞳には、不安と高揚に混じって、確かな覚悟が浮かんでいる。


「明日か。じゃあ今日は時間があるんだな?以前行った甘味処に行かぬか?私の奢りだ!」

『え…空いてますけど、申し訳ないですよ』

「気にするな、私からの入隊祝いだ。ほらいくぞ!」

『食べたいんですね、ルキアさん』

「つべこべ言うな!」


二人で軽く笑い合いながら、鯉伏山を後にする。


明日から死神になる、この少女。

ルキアは可愛い教え子を横目に見ながら、願わくば彼女の”目的”が果たされますように…とぼんやり考えた。


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