第6章 東京卍リベンジャーズ・龍宮寺堅
帰る時はみんな
来た時よりも晴れやかな顔をしていた
神社の鳥居の下で "じゃあな"と言って別れ
それぞれの居場所に戻っていく
同じ方向へ帰る三ツ谷と八戒と3人で歩いているうちに
飲んで帰ろうという話になり
俺たちは
たまたま通り沿いにあった居酒屋へフラリと入った
家庭的であたたかい雰囲気のその店は
一見[イチゲン]で入った俺たちの事を快く迎えてくれた
案内された壁際のテーブル席へ座り
生ビールと適当なつまみを頼んでグラスを合わせる
この2人と飲むのは久しぶりだった
デザイナーになる夢を叶えた三ツ谷は
独立し
自分のアトリエを構えて
忙しいながらも充実した毎日を送っているらしい
八戒に至っては
トップモデルとして世界を股にかけていた
昔の八戒のイメージが消えない俺にとってはいまいちピンと来ないが
三ツ谷の話では結構名前も売れて
ファンなんかもいるようだった
俺は俺で
バイクショップを経営するという夢を
同じ東卍の仲間であるイヌピーと共に叶えた
納期が重ならなければ、すごく忙しいという程でもない
マイペースな時間の中
昔からの知り合いが気軽に顔を見せに来てくれるような店の雰囲気が、俺は気に入っていた
ビールが焼酎に変わる頃
近況報告が終わり
話は
タイムカプセルの事になった
マイキーからの手紙を読んで
みんなの中で長い間ずっと宙ぶらりんになっていた
行き場の無かった気持ちは
取り敢えず
落ち着く場所を見つけられたようだった