第5章 東京卍リベンジャーズ・松野千冬
「……ぇ…」
あまりの急展開にフリーズしている俺に
レイナは更に続けた
『………千冬…君……………さっきのキス……も…いっかい…して…』
「……」
『………すごく……気持ち良かったの……』
無意識に鼻の下を指先でこすった俺の瞳を覗き込みながら
レイナはせがむようにアゴを上げた
「……っ…」
堪らず傍らのベッドに押し倒すと
彼女は少し驚いた顔をした
『……千冬…君…?』
「………………レイナ……………気持ちいいキス……いっぱいしてあげる……」
微笑んで頷いたレイナの
柔らかな頬に触れる
少しだけ開かれた唇
かぶりつきたい衝動を抑えて
なるべくさっきと同じようにそっとキスした
力を入れないようにゆっくりと舌を差し込んで
口腔を這うように蠢かせる
『………ん……』
角度を変えて少し奥まで伸ばすと
彼女の舌先にヌルリと触れた
『……っ…ん………ん…ふぅ……』
ユラユラと擦り合わせると
レイナの舌が逃げるように動く
深く口付けて追いかけ
自分の舌を絡みつかせた
『……んん…っ………んぅ……』
苦しげに眉を寄せる彼女の顔が
俺を更に興奮させる
滑らかに蠢きながら擦れ合う感覚に集中していると
このまま溶けてしまいそうな気がした
ずっとこうしていたい気持ちを抑え
舌先に吸い付くようにして
チュ…と水音を立てて離れる
『……ハァ………ハァ………ハァ……』
唇の端を汚している唾液を舐めとり
そのまま耳元にキスを移した
「…気持ち良かった?」
乱れた吐息の合間で
細い肩がピクリと震えた
『……ウン……………もっ…と………もっと…して欲しい…』
「……っ………でも……これ以上したら……オレ………止められなくなるよ…」
本当はもう
とっくにそんなラインは超えていたけれど
もう一度だけレイナの気持ちを確認したかった
「…………本当に……いいの…?」