第5章 東京卍リベンジャーズ・松野千冬
(……ヤベ………オレ…何言ってんだ……)
我に返った俺は
自分の思考に愕然として腕の力を緩めた
(……おかしいだろ……さっきからずっと……)
「……ぁ……ゴメン…」
頭に血が上っていたとはいえ
彼女を私物のように扱ってしまうなんて
(……これじゃ……自己中な独占欲…押し付けてるだけじゃねーか……)
もう一度ちゃんと謝ろうと思った時
彼女の腕が背中に回されるのを感じた
俺の身体を抱きしめるようにしてレイナが言う
『……今の……本当?』
「……ぇ…?」
『…………千冬君………私の事…そんな風に思ってくれてるの?』
改めて聞きなおされ
俺は素直に認めた
「………ぁ………うん…………………オレ……レイナが他の男に触れられてんの見たら……何か…感情抑えられなくなっちまって…………レイナは物じゃないのに…あんな言い方ないよな………ホント…ごめん…」
『……謝らないで…』
その言葉に目線を上げると
レイナの瞳が俺を見つめていた
『………私……自分から千冬君に告白して…付き合える事になって……すごく嬉しかった…………けど…ずっと自信無かったんだ…………千冬君…優しいから……断れなかったのかな…とか……最初の頃は少し…考えちゃったりもしてて…』
「……レイナ…」
『……でも…最近は学校の帰り以外にも一緒に居られるようになって……2人で色々な話して………少しは…千冬君の"特別"になれたような気がしてた………けど……それでもまだ不安だったの…………フッ……好きな人の事になると…自分でも嫌になるくらい自信無くなっちゃうんだよね…』
レイナはそう言って
困ったように苦笑いをした
『………私…………ずっと…千冬君の本当の気持ちが聞きたかったの…………だから…すごく嬉しい…』