第5章 東京卍リベンジャーズ・松野千冬
そんな話をした
数日後のこと
買いたい本があるというレイナに付き合って2人で本屋にいる時に
三ツ谷君から電話が掛かってきた
「…ちわッス…」
「千冬?……いまドラケンと八戒ン家に居るんだ……お前も来いよ」
「…ぁ……でも……いま彼女と一緒で…」
「そーなんだ。…じゃ連れて来りゃいーじゃん」
「…ぇ……あの…」
「んじゃ、待ってっからなー♪」
三ツ谷君はそう言って電話を切ってしまった
俺が
「先輩から電話で友達の家に呼ばれたんだけど、一緒に来てもらってもいいかな?」と聞くと
レイナは俺がいつも話している仲間達に会ってみたかったと
喜んで着いて来てくれた
八戒の家に行くと
3人は朝から飲んでいたらしく既に結構酔っていた
酒の席だと聞いていなかった俺は
レイナに「少しだけ話したら帰るから」と耳打ちして
みんなに彼女を紹介した
勧められた酒を断り
ふたつの紙コップにジュースを注いで
ローテーブルの側の床に並んで座る
しばらくの間たあいのない話をしていると
不意に三ツ谷君が立ち上がった
「レイナちゃん、隣いい?」
『……ぁ……どうぞ…』
「どーも♪」
三ツ谷君は俺と反対側のレイナの隣に腰を下ろすと
彼女の顔をじっと見つめた
「……千冬がいつも自慢するから…どんな子なのか気になってたんだ…」
『……ぇ…』
「……これからよろしくね…」
そう言った三ツ谷君の目が妖しく光ったような気がして
何か言わなきゃと思っていると
テーブルの向かい側からドラケン君の声がした
「……んだよ…八戒寝ちまってるワ………千冬ー…悪ィけど冷蔵庫から酒持って来てくれ…」
「…ぁ…ハイ!」
キッチンへ行き
酎ハイやビールがパンパンに詰まった冷蔵庫から
適当に何本か見つくろって部屋に戻った俺の目に
レイナと手の平を合わせている三ツ谷君の姿が映った
「……ぇ…」