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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎





『……万次郎…?』


名前を呼ばれ、ハッと我に返る


『……どうしたの…?』


理想の家についてレイナに語っていたはずが
いつの間にか黙り込んでしまっていたみたいだ


「……ぃゃ………何でもない…」

『……』


俺はその場をとりなすように
心配そうな顔をしているレイナに聞いた


「…オマエはどうなんだ?」

『………ぇ……?』

「……レイナの理想の家も、教えろよ…』

『…えー……私の理想の家かぁ…………うーん…』

「……」

『………私は………万次郎が毎日帰ってきてくれる家に住みたいな…』


彼女はそこまで言うと
明るい口調で言った


『だから…近所に美味しいたい焼き屋さんがある家がいい♪』

「………………フッ………それ、最高だな」

『……ウフフ………でしょ?』



あの頃と少しも変わらない無邪気な笑顔を見ていると
愛しさが胸に溢れてくる



「………レイナ……」



俺は

白く柔らかな彼女の頬に触れようと
そっと指を伸ばした
















[ コンコン ]



ノックの音に目を開けると
薄暗い空間にいた


「……」


ノロノロと身体を起こすと、見慣れたテーブルが目に入って
事務所のソファの上で眠っていたのだと気付く


「…………入れ…」


ガチャリとドアを開けて部屋に入ってきたのは鶴蝶だった


「……寝てたのか?……すまない…」

「別にいい。……どうした…」

「……例の襲撃の件の報告だ…」


先週末
梵天は敵対している組織からの襲撃を受けた

息のかかった店やフロント企業、幹部や近しい者の自宅など
かなり詳しい情報が漏れていて
そのうちの数件が同時に襲われ、相当の被害があった

先に手を出してきたその敵対組織は
お礼参りとして翌日のうちに潰し、現在は壊滅状態となっていた


鶴蝶は
ウチの内部情報を売った後、大金を持って海外に逃げていた元梵天構成員の処分[スクラップ] が先程終わったことを、俺に報告した


「………分かった…」


感じている違和感の正体を確かめたくて
部屋を出て行こうとした鶴蝶に聞く


「……オイ……今日は何曜日だ?」

「…火曜だ…」

「……火曜…」


それを聞いた俺は
さっきまでの事が夢か現実か分からなくなった



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