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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎




あの頃のレイナは
俺に対しても心を開いてくれていたと思う

何の根拠も無かったが
彼女にとって、俺と場地は
周りに居るその他大勢の奴らとは違う " 特別 " な友達なんだという自信があった



けれど
同時に俺は気付いていた


レイナが " 1番特別 " な視線を向けている相手は

俺ではなく
場地だということに




言うまでもなく
場地もレイナを大切に思っていた


母子家庭同士で、物心がつく前から交流があったという2人は
本当に仲が良く

友達というよりも
どこか、家族や兄妹のような関係に見えた





「じゃーなマイキー!」

「万次郎、また明日学校でね」


空手の稽古の後
夕方まで遊んでから
俺の家の門の前で、いつも2人はそう言った

並んで帰っていく背中を見送る俺の所まで2人の楽しそうな笑い声が聞こえてくる度
場地のことを羨ましく思っていた






俺はずっと
レイナの " 1番特別 " になりたかった



友達よりも、もっと親密な

レイナにとっての
場地みたいな存在になりたかった






















「…話すの…久しぶりだな…」

『……そうだね…』

「…………場地とは………アイツが転校して引っ越してからも会ってたのか?」

『………ウン………まぁ……』

「……」



レイナと時々会っているなんて話は
場地から聞いていなかった


場地は元々
自分からそういう話をする奴じゃなかったけど

転校した後も俺の知らないところで2人の仲が続いていたと知って
改めて
場地とレイナの " 特別な " 関係性を思い知らされたような気がした


(……もしかしたら……2人は付き合っていたのかも知れない…)


場地の気持ちも
レイナの気持ちも分かっていた俺は

小学生のガキの頃より2人の関係が先へ進んでいたとしても、何も不思議ではないことに
この時ようやく気が付いた


(……なんだ……やっぱりそうだったのか…)


ショックを受けたことに変わりはなかったが
こんなにも冷静に受け止められたのは
心のどこかで覚悟していたからなのだろう

目の前に居るレイナが
自分の知っている彼女とは違う女のように思えた






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