第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
「……蘭…………オマエらも……みんな…ありがとな…」
「…っ…礼なんてやめろよイザナ…」
「そーだよ。……ズピ………逆にコエーって…」
「うんうん」
「イザナの照れた顔見られるだけで充分だ…って……さっき、みんなが言ってたよ」
「あ゛⁇」
「バカ、鶴蝶…」
「…ヤベ…」
「…ち、違うんだイザナ…」
「……オマエら……チョットそこ並べ…」
「ちょ…ちょっと、大将⁉︎こんな時にケツ蹴んのヤメテよね⁇………っ…ホラ!姫が待ってるんだから…早く迎えに行ってあげなよ…」
「…チッ……後で覚えてろよ…」
蘭に背中を押されたイザナは
照れ臭そうに捨て台詞を吐くと
レイナの待つ控え室へ、ゆっくりと歩いていった
その日
美しい花々と
仲間達の笑顔に囲まれながら
イザナとレイナは永遠の愛を誓った
夜
マンションへ帰ってきたレイナは
撮ったばかりの写真が入ったポケットアルバムを何度も見返しては、嬉しそうに微笑んでいた
そんな彼女の隣に座っていたイザナは
アルバムを持っている左手に自分の手を添え、薬指に触れた
ジャストサイズにオーダーしたはずの指輪は
痩せてしまった指には大きくて、少し隙間があいていた
「…サイズ……明日直しに行こうな…」
『ううん…私、このままがいい。……落とさないように気を付けるから、直さなくていいでしょ?』
「……ぇ…」
『…蘭くんに聞いたの。…イザナ…この指輪買うために仕事して…一生懸命お金貯めてくれてた…って…』
「……」
『……あの頃……イザナがそんな風に考えてくれてたなんて…全然知らなかったよ………本当に…嬉しい…』
「…レイナ…」
レイナは顔を上げ、イザナの瞳を真っ直ぐに覗くと
心を込めて言った
『……イザナ……どうもありがとう…………私…すっごく幸せだよ…』
彼女は
その言葉通りの笑顔を見せると
目を閉じ
イザナの唇にそっとキスした
それから2週間後
レイナは
イザナの腕の中で
静かに息を引き取った