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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ




受け入れ難い現実を目の当たりにするのが恐ろしくて
一旦はその場を離れようとしたが

彼女の母親の涙ながらの説得に
結局、イザナは応じた



案内されるまま、エレベーターで病室のある階へと上がり
薄暗い廊下を歩いていく


「…ここです」


立ち止まり
壁に貼られたプレートを見ると

そこには " 織月 レイナ " と
彼女の名前が確かに書かれていた


「……」




真っ白なドアに手を掛け
静かに開ける


明るい光に包まれた個室
角度をつけたベッドに背をもたせ掛けるようにして
ボンヤリと窓の外を見つめている女の姿があった


「…………レイナ、か?」


生気のない横顔にイザナが呼びかけると
肩がピクリと震え、女がゆっくりとドアの方へ顔を向ける




『……………イザナ…?』


名前を呼ぶ懐かしい声が聞こえた瞬間
痩せこけた頬にポロポロと涙が零れた


「……っ……レイナ……」



無意識に
身体が動いていた


イザナはベッドに近付くと
伸ばされた細い両腕を引き寄せ、彼女を抱きしめた


『…………来て……くれたの…?……………夢じゃないよね…?』

「……夢なんかじゃねーよ。バカ…」


そう言いながらイザナは
どうかこれが悪い夢であって欲しいと願った


「…………何で…連絡しなかった…」

『………だ…って………イザナはもう私のことなんか…』

「馬鹿ヤロウ‼︎」

『……っ…』

「………このまま………黙って居なくなるつもりだったのかよ…………たった独りで…?………ふざけんな…」

『……』

「………そんな事…させねぇよ………させる訳ねぇだろ……………そんな事の為に…オマエを手放したんじゃねぇ…」

『……イ…ザナ…』


イザナは身体を離し
真っ直ぐにレイナの瞳を見つめた


「………レイナ…………あの時……酷いこと言って…オマエを傷付けた…………本当にゴメン……………オレの前で…ずっと無理して笑ってるのは知ってた………でも…見えない所で泣いてるオマエに気付いた時……このまま一緒に居たらいけないと思ったんだ……………オレの側に居ても幸せになれない………そう思ったから…」

『……』

「…………オレ…………オマエには…絶対に幸せになって欲しかったんだよ…」








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