第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
『……家まで……送ってくれる?』
レイナは涙を拭くと、ベンチから立ち上がった
夜明け前の道を
2人は何も言わずにゆっくりと歩いた
イザナと3人でこの道を何度も歩いたことが
とても遠い過去のように感じた
自宅の前に着くと、レイナは鶴蝶を見上げた
『………それじゃあね…』
「……」
別れの言葉を言いたくなくて俯いた鶴蝶に
レイナは一歩近付いた
思い切り背伸びをして、短く刈られた頭を撫でる
『…………今まで……本当にありがと…』
「……っ…」
優しい笑顔がボンヤリと滲んで
胸がギュッと詰まった鶴蝶は、堪えるように唇を噛んだ
『………バイバイ…』
彼女の後ろ姿が
ドアの向こうに消えてしまうまで
鶴蝶は
唇を噛んだまま、その場に立ち尽くしていた
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レイナの隣で笑うイザナが
イザナの側に寄り添うレイナが
鶴蝶は好きだった
2人の為なら、どんな事でも出来ると思っていたのに
肝心な時に何も出来ない自分の無力さが悔しくて
悔しくて
仕方がなかった
" イザナをお願いね "
レイナから託された想いを強く受け止めた鶴蝶は
この先どんな事があっても
イザナを支え、守り抜くと
改めて心に誓った