第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
テーブルの上に並べられたグラスに氷を入れ始めた鶴蝶に
イザナが揶揄うように言う
「…鶴蝶……オマエ、もう女抱けんだろ?…後でレイナの相手してやれよ…」
「オイ、何言ってんだよイザナ…」
「…うるせぇ…………なぁレイナ……鶴蝶なら構わねぇよな?…それともガキは嫌か?」
『……やめてよ……酷いこと言わないで…』
「……へぇ……鶴蝶のこと庇うのかよ………もしかしてオマエら…オレが居ない間にもう何回かヤッてんのか?」
「イザナ!いい加減に…」
「黙ってろ鶴蝶」
「……っ…」
イザナが放った張り詰めた空気に、鶴蝶は何も言えなくなった
「…とにかく……オレの相手はもう間に合ってっから……オマエはオマエで好きにしろ…」
『……イザナ………私……イザナの側に居たいよ…』
「………………チッ…………ハッキリ言わなきゃ分かんねーのか……だったら言ってやるよ…」
立ち上がり
俯いているレイナの前に行く
「……別れよう、レイナ………もう…ここには来んな…」
その言葉を口にしながら
イザナは彼女の白い頬を見つめていた
(………あぁ………もう…コイツには二度と触れられねぇんだな……)
そこに
透明の雫が伝い落ちていくのが見えて
イザナはハッと息をのんだ
「……泣いてんのか?」
その声に顔を上げたレイナは、イザナを思い切りビンタした
『バカ‼︎何で別れ話したアナタがそんな傷ついた顔してるのよ‼︎』
レイナはそう言うと
足早にリビングを出て行った
「…オイ、レイナっ…」
鶴蝶が慌てて彼女の後を追う
玄関のドアが閉まる音が聞こえた瞬間
イザナは胸元を押さえて床に膝をついた
「………痛ってぇ…」
頬を殴られたのに、左胸がえぐられるように痛かった