第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
それから
2人は風呂に湯をため、一緒に入った
イザナの頬に血色が戻ったのを見て、レイナは少しだけ安心した
イザナは、レイナの身体を洗ってやった後
彼女を先に湯船に入らせてから、自分の髪を洗いはじめた
「……オマエ……ちょっと痩せたか?」
『………ん……そう、かな…』
「…ちゃんと飯食ってんのかよ?」
『……何か……独りだとあんまりお腹空かなくて…』
「……」
イザナが仕事で家を留守にすることが多くなったせいで
ここのところ、レイナはまともに食事をとっていないようだった
『…でも…みんなが持ってきてくれるお菓子とかつまんだりしてるから…気付かないうちに結構食べちゃってるような気もするんだよね…』
「ダメだ。…もっとちゃんとしたモンも食え」
『……クスクス……分かった。…今日はイザナの好きな物作るから、一緒に食べよ♪』
「…あぁ…」
イザナは微笑んで頷くと、シャワーで髪についた泡を流した
イザナの態度は、既にいつもの優しいものに戻っていた
けれど
レイナは心の中に何とも言いようのない不安がジワジワと広がっていくのを感じていた
その夜
マンションには誰も訪ねて来なかった
レイナの作った夕食を二人きりで食べた後、イザナは早めにベッドへ入りたがった
広いベッドの上で優しく抱きしめられながら
イザナの寝顔を見つめているうちにいつの間にか眠りについたレイナが、朝方目を覚ますと
そこには
もう、イザナの姿は無かった