第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ

『ねぇ、イザナの服も洗濯機かけちゃったけど…良かったかな？……朝には乾いてると思う』


その声に振り返ると
バスローブ姿のレイナが寝室の入り口に立っていた


「………あぁ……悪いな…」

『…わぁ……すごいね、このベッド…』


部屋の中を見回しながら窓の方へ歩いてきて
外へ目を凝らす


『……綺麗な夜景…』

「……」


イザナの視線に気付いて我に返ったレイナは、ほんのりと頬を赤らめた


『……っ…制服以外、全部…洗濯しちゃったの………今日だけ…このまま寝てもいいかな…』

「………まぁ……オマエがいいなら…」

『…じゃあ……そうする…』

「………………ベッド、行くか？」

『…………ウン…』


イザナは彼女の手を取り、大きなベッドの方へ歩いていく


「…来いよ」


先に寝転がり、シーツをポンポンと叩くと
レイナはためらいながらも隣に身体を横たえた






洗ったばかりの髪に指を滑らせるようにして優しく頭を撫でてやると、レイナが瞼を閉じた

その時、イザナの頭の中にフラッシュバックのようにあの日のことが蘇ってきた



夜中に救急車で運ばれ、手術を受けたレイナ

翌朝
イザナは忍び込んだ特別室で、ベッドに横たわる彼女の姿を見下ろした

細い手首に巻かれた真っ白な包帯が強烈に目に焼き付いて
その夜から、同じ場面が何度も夢に出てきた



そして今
包帯こそ取れてはいても
その場所には痛々しい傷跡が残っている