第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
その時
チャイムの音が部屋に響いた
「…あ、鶴蝶来たぞ」
獅音にエントランスのドアを開けてもらった鶴蝶は
1分後、大きなケーキの箱を手に玄関から入ってきた
「うわ!スゲー!パーティーだな」
「オゥ。いっぱい食えよ」
「モッチーどしたの?そんな所座り込んで…竜胆も」
「ただいま回復中〜…あと5分は動けねぇ…」
「…悪ィ…オレらの代わりにテーブルの準備手伝ってくれ…」
「分かった!ケーキ置いて来る」
鶴蝶はそう言ってキッチンの方へやって来た
「イザナ、ここに居たのか!」
「オゥ」
「鶴蝶〜♪来る前にケーキ受け取るの忘れてなかったじゃん。エライ!」
蘭に褒められた鶴蝶は「まあな」と嬉しそうに笑いながら
カウンターの向こうに居るムーチョにケーキの箱を手渡す
「コレ。あと、コッチは預かった金のおつり」
「釣りは取っとけ」
「やった♪サンキュー!…じゃあオレ、レイナ手伝ってくる!」
鶴蝶はそう言うとリビングの方へ行き、レイナと一緒にグラスを並べ始めた
蘭のすぐ横でスツールに座っていたイザナが
ケーキの箱を開けているムーチョにカウンター越しに言う
「…鶴蝶のヤツ、ずいぶんオマエらに懐いてんな…」
「……フッ……最初会いに行った時はさすがに警戒されたが…" イザナにオマエのこと頼まれた " って言った途端、すぐ打ち解けた」
「…ハハ……アイツらしい…」
「…鶴蝶さぁ…年少での大将のこと色々聞かせて欲しいって……同じ話、何度もせがんできたよ…」
「……寂しかったんだろ……あんな嬉しそうな笑顔見たのは…今日が初めてだ…」
「………そうか…」
「…イザナを守れるような男になりたいから稽古つけてくれって……オレ達に頭下げてきやがった」
「…大将……アイツ、相当強くなったよ」
「……フッ……それは頼もしいな…」
レイナと話をしながら準備を手伝っている鶴蝶を
イザナは嬉しそうに見つめた