第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
2LDKのマンション
広めのリビングに置かれたソファの前のテーブルには
寿司やピザやチキン、点心やパスタなど、たくさんの食べ物が並べられていた
「……イザナ…待ってたぞ…」
冷蔵庫から飲み物のペットボトルを出しながら
背の高い男が笑顔で迎える
「…ムーチョ……何だよコレ…すげぇご馳走だな」
「シャバに出たイザナがまず何食いたいかって…皆で話してたらいつの間にかこんな事になっちまった………まぁ、出院祝いだ……それと…歓迎会だな」
そう言ってムーチョはレイナを見た
「武藤泰宏だ」
『…ぁ……織月レイナです。……蘭君から同じ年って聞いたんだけど……本当?』
「あぁ…そうみたいだな」
『……じゃあ……ムーチョ君って…呼んでも、いいかな…』
レイナの言葉にムーチョは一瞬固まったが
すぐに「まぁ…構わないが…」と答えた
そこへ
尻を押さえた4人がヨロヨロと入ってくる
「…うぅ……久々イザナにケツ蹴られた」
「オレも〜…こんな痛かったっけ?」
「オレ、ぜって〜尾てい骨折れてるワ…」
「折れてたら歩けねーだろ」
「獅音、今日もバカだな」
一気に賑やかになった部屋の中で
ひとり黙々と動いているムーチョに蘭が泣きついた
「ムーチョ、聞いて。大将、全っ然容赦ねーの」
「…オレを巻き込むな。それよりオマエらも手伝えよ」
「無理。玄関からここまで歩くのがやっとだもん」
そう言うと
蘭は力尽きたようにキッチンのカウンターに寄りかかった
「はぁ?」
『あ、私がやる。取り皿とか運んだりすればいい?』
「…ぁ…頼む」
レイナは手を洗うと、食器棚から適当な皿を出してリビングのテーブルへ運び始めた