第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
「イ、イザナ…ひ、久しぶり」
獅音の震える声を聞いて、またヒソヒソ話が始まる
「ヤバい。大将キレてる」
「マジか。あー死んだ」
「だから覗き見なんてやめようって言ったじゃん」
「もうおせーよ竜胆。…蘭、逃げんな」
「離せモッチー。ワンチャン、オレらはバレてねぇ」
廊下に丸聞こえのヒソヒソ話をぶった切るように
イザナの声が響く
「テメェら、出て来い」
数秒間の沈黙の後
開かれたドアから3人の男達が出てきた
気まずい空気に気付かないフリをして
蘭が明るい声で言う
「あ、姫♪コイツがさっき話したオレの弟の竜胆。竜胆、大将の彼女の織月レイナちゃん」
『……始め…まして…』
「…あ…ども…」
「それと、コッチのデカいのがモッチーでコレが獅音ね」
「…オレら雑だな」
「何でオレは " コレ " 呼ばわりなんだよ」
「いーから!挨拶挨拶…」
蘭に仕切られて獅音とモッチーもレイナに挨拶をした
「見えないのも居るけど、竜胆以外はみんなタメだから。……あとひとり、ムーチョってのが部屋ん中に居るから紹介する…ょ」
「待て」
急かすように部屋に入ろうとする蘭を
イザナが止めた
「…レイナ……ちょっと玄関の中入って待っててくれ」
言われるままレイナが玄関に入ると
イザナは「すぐに済む」と言って静かにドアを閉めた
その直後
パン!パン!パン!パン!
乾いた音が4回廊下に響いて
次にドアが開いた時
「行こうか」
そう言ったイザナの後ろで
4人が尻を押さえてうずくまっていた