第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
蘭がドアを開けて部屋へ入っていってしまうと
ふたりきりになったマンションの通路で
イザナはレイナと向き合った
「………ぁ………何も言わずに連れて来ちまって…悪ィ………大体は…いま蘭が話した通りだ。………まだ…あの施設から出られる年じゃねーから…とりあえず仮の住処だけど……ちゃんと自分で部屋借りられるようになるまで…ここで我慢してくんねーか…」
『…イ…ザナ…?』
「……レイナと…一緒に暮らしたいんだ………もう離れたくねぇ…」
『……』
驚いたようなレイナの顔を見て
イザナは慌てて続けた
「……もし、住むのが無理なら……自分の家と行ったり来たりでもいい……っ…それも無理なら、たまに遊びに来るだけでも…」
アタフタと弁解を始めたイザナに、レイナは抱き付いた
『…嬉しい…』
「……っ…」
『…………イザナ………迎えに来てくれてありがと…』
「……レイナ…」
彼女の返事にホッとして、イザナはヘラリと笑った
背中に腕を回して
レイナを強く抱き寄せる
(……あーぁ………やっと会えたってのに……相変わらずコイツの前だと格好付かねー…)
懐かしい香りを吸い込むと
凹んだ気持ちなんかすぐにどこかへ飛んで行った
『………会いたかった…』
「……ウン……オレも…」
ふたりは見つめ合い
そっと唇を重ねた
次の瞬間
ガタガタガターン‼︎
大きな音がして
突き当たりの部屋のドアが勢いよく開いた
「イデッ!」
開いたドアから痩せた男が出て来て
バランスを崩したように廊下に突っ伏した
「あーぁ」
「誰、押したの」
「モッチーでしょ」
「いや、蘭だろ」
部屋の内側
玄関の辺りで言い争う声が聞こえる
「………獅音…」
イザナが低い声で名前を呼ぶと、廊下に倒れ込んでいた男が飛び起きた