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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ




数年後


年少を仮退院したイザナは
何をするよりも先に単車置き場へと向かった

待っていた鶴蝶から鍵を受け取り、エンジンをかける


「…ちゃんと世話してくれてたみたいだな…」

「イザナの兄ちゃんが…たまに調子見に来てくれたりしたんだ」

「………そっか…」


呟くようにそう言うと
スタンドを蹴って車体を起こす


「……じゃ……行ってくる…」

「うん。気を付けてな!」




鶴蝶の笑顔に見送られ
イザナは走り出した


向かったのは、元町
懐かしい風景と風の香りに包まれながら
レイナの通う学校を目指す



緑に囲まれた広い敷地の中に、歴史を感じさせる立派な建物がいくつか見えた

イザナが正門の前に単車を止めると
敷地の奥の方を巡回中だった警備員がジッと見つめてくる


ブォンッブォンブォンッ


軽くふかしただけで
警備員はトランシーバーを取り出し、どこかへ連絡を取り始めた


(……出て来い…レイナ…………約束通り迎えに来たぞ……)


イザナは口元に微笑みを浮かべ
クラッチを軽く握りなおした


ヴォンヴォヴォヴォンヴォヴォヴォンヴォンヴォンヴォヴォ


厳格な雰囲気に包まれた校内に
響き渡るコール音


校舎から教師と思われる年配の男が出て来て、警備員と一緒にイザナの方へ歩いてきた

その横を、ひとりの生徒が走り抜けていく




「ちょっと、キミ!」


教師の言葉など聞こえていないかのように
真っ直ぐに正門の方へ駆けてくる


鉄製のカンヌキを外し、門の外に出たレイナは
そのままイザナに抱きついた


「……待たせたなレイナ…………オレと一緒に来るか?」

『…ウン……連れてって…』


騒ぎを聞きつけた生徒達が、教室の窓から次々に顔を出してはキャーキャーと何か叫んでいる


レイナはイザナに引き上げられるようにして単車の後ろに跨った


「…行くぞ」


持ってきたメットを彼女が被ったことを確認すると
イザナは単車をスタートさせた




「おい、キミ‼︎今すぐ戻りなさい‼︎」


騒然とする生徒達の悲鳴と追いかけてくる教師の声が
次第に遠くなっていく



『…イザナ………おかえりなさい…』


腰に回されたレイナの腕にギュッと力が入るのを感じながら
イザナはアクセルを強く握った



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