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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ





「……レイナ…?」



慌ただしくストレッチャーを乗せ、サイレンの音と共に走り出した救急車を
イザナは必死に追いかけた

けれど
大きい道路に出たところで他の車に阻まれ、足止めをくっているうちに車はどんどん遠ざかって行ってしまう


クラクションが鳴り響く深夜の国道
裸足の足元が切れて血が出ていることを気にも止めずに
イザナは小さくなっていく赤色灯をいつまでも見つめていた








「そこのお屋敷の女の子、手首を切ったんですって?」

「そうなの…ご家族が保護入院を申し出て、今は◯□病院の特別室に居るらしいわよ…」


翌朝
施設の職員達のそんな会話がイザナの耳にも届いた


◯□病院を訪れ、病室を探す
それほど大きな病院ではなかったため特別室はすぐに見つかった




[ 面会謝絶 ]の札が貼られたドアを静かに開けると
広い個室のベッドの上で、レイナが眠っていた


「……」


ベッドの側まで行き、寝顔を見下ろす

柔らかな髪を撫でていると
レイナが微かに目を開けた


『……イザナ…?』


薬が効いているのか
視線はどこか虚で意識もボンヤリとしていた


『……イ…ザナ…………もう……知ってるんでしょ…』

「……」

『………イザナにだけは……知られたくなかった…』


優しく髪を撫で続けているイザナを
悲しそうに見上げる


『……ごめん…なさい………私…………汚れちゃった…』

「……………オマエは……昔も今も…ずっと綺麗だ…」


イザナはそう言うと
横たわったままのレイナの身体を包むように抱きしめた


『……イ…ザナ…?』

「…謝るのは……オマエを巻き込んだオレの方だ…………だから…オレが消してやる。…全部、消してやるから………………もう…自分を責めるな……………これ以上……オマエは傷付かなくていい…」

『……』

「……分かったか?」


小さく頷いたレイナの額にそっと口付け、身体を離す


「………ホラ…目、閉じて……オレがついてるから…安心して眠れよ…」

『……』



繰り返し髪を撫でているうちに
小さな寝息が聞こえてきた


しばらくの間、レイナの寝顔を見つめていたイザナは

彼女の唇に触れるだけのキスを落として
静かに病室を出ていった




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