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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ




翌日、病院を退院したイザナは
すぐにレイナに会いに行った

学校を休んでいるらしいと鶴蝶に聞いていたので
自宅を訪ねる


門を乗り越えて忍び込み
広い庭を横切って
いつもピアノの音が聞こえていた彼女の部屋へ向かった


庭と続きになっているテラスの窓から中を覗いたイザナは
ベッドの上で丸まっている小さな背中を見つけた

軽くガラスをノックすると
ビクッと身体を震わせたレイナが後ろを振り返る


『…っ…』


彼女はゆっくりと身体を起こし
窓の方へ近付いてきた


『………イ…ザナ…』


窓を開け、心配そうな瞳で見上げる


『……怪我…大丈夫…?』


イザナの頭に巻かれた包帯を見て、そう聞いてきたレイナの頬と額には
赤黒いアザが浮かび上がっていた


「……」


言葉を失ったイザナが彼女の腫れた頬に手を伸ばすと
レイナはハッと息をのんで後ずさった


『………ゃ……イザナ…………こんな…顔……見ないで……………嫌ぁ…っ…………ハァ……ハァ……ハァ……』


呼吸が上がり、苦しそうに胸を押さえる


「…レイナ、どうした…」


その時
部屋のドアが開いて、彼女の母親が入ってきた


「そこで何してるの!」


過呼吸を起こしている娘を抱きしめ
イザナを睨み上げる


「もうレイナに近付かないでって言ったじゃない‼︎こんな事になったのは、全部アナタのせいよ‼︎」

「…っ…」

「帰って‼︎早く出てって‼︎」


泣き叫ぶ母親の声を背に
イザナはレイナの家を後にした






その日の夜遅く
イザナが施設の部屋のベッドで横になっていると

救急車のサイレンが聞こえてきた


不安を煽るようなその音は次第に近付き、すぐ近所で止まる


「……」


胸騒ぎに襲われたイザナは
ベッドから起き上がり、裸足のまま外へ飛び出した





レイナの家の生垣が、点滅するランプの光に赤く染まっている
庭の方から数人の話し声がした

野次馬達をかき分けて前に出たイザナが門の中を覗くと、ストレッチャーの上に横たわる彼女の姿が見えた





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