第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
完全な不意打ちをくらって膝が崩れそうになる
足元がグラつき、流れてきた血で視界が悪くなった
その状態でイザナは戦ったが
半分以上を倒した所で力付き、そのまま意識を失ってしまった
サイレンの音がして目を開けると、通行人の誰かが呼んだらしい救急車が停まっていて
白い服を着た男達にストレッチャーに乗せられ、病院に運ばれた
全身の打撲と頭蓋骨の骨折
すぐに手術を受け、2日間の入院が決まった
翌朝、入院している病室に青ざめた顔をした鶴蝶が飛び込んで来た
「大丈夫かイザナ!」
「…心配要らねぇよ……油断して後ろからいかれちまった……クソ…」
「……」
「レイナにも心配すんなって言っといてくれ………昨日、アイツのこと迎えに行けなかったんだ……オレが来ねぇからしばらくの間、あの橋ン所で待ってたかも知んねー………鶴蝶、代わりに謝っといてくれよ…」
「……ぁ……ウン………分かったよ…」
鶴蝶の返事に違和感を感じ、全身が粟立つのを感じたイザナは身体を起こした
「……オイ……アイツに何かあったのか?」
「イザナ!起きあがっちゃダメだ!」
「うるせぇ!…何があったんだよ鶴蝶……怪我したのか⁈今どこに居る?」
「……今は…家に居ると思う…」
「………教えろ……レイナに何があった…」
感情を押し殺した声でイザナに詰め寄られ
鶴蝶は泣きそうな顔をした
「…イザナには言わないで欲しいって……レイナに頼まれたんだ…」
「………鶴蝶……大丈夫だ………隠さず全部オレに話せ…」
「……」
長い沈黙の後
鶴蝶は話し始めた
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昨日
部活が終わったレイナは、いつものように約束の橋に行った
けれど、いつまで待ってもイザナは現れなかった
少し前、たまたま同じような事があった時に
アジトで昼寝をしたまま寝過ごしてしまったと平謝りしていたイザナのことを思い出したレイナは
今回もそうだと思い、ひとりでアジトのあるビルへと向かった
夕日の差し込む階段を上がり
鍵の壊れた扉を開ける
『……イザナ……居るの?』
呼びかけても返事はなく
今日は来ていないのだと思ったレイナが引き返そうとした、瞬間
いつの間にか真後ろに立っていた人物によって
口元を塞がれた
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