第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
レイナは親に反抗し
イザナと会うことをやめなかった
夜中に家を抜け出すことはもうしなかったが
放課後待ち合わせた時に、遅い時間になっても帰りたがらなくなった
親から叱られているだろうと心配したイザナが何度聞いても
彼女は笑って『大丈夫』としか答えなくて
その言葉に心のどこかで甘えながら
イザナはそれからも毎日のようにレイナと会い続けていた
夜の街を彼女と2人で歩いている時、見た顔と出くわした事があった
□△というチームのリーダーで
以前、因縁をつけられて返り討ちにした相手だった
イザナの顔と名前が売れている分
隣に居るレイナが視線を集めるのは、ある程度理解できたが
すれ違いざまにレイナの顔を覗き込んだソイツがニヤリと笑ったのに気付いた時
イザナは何とも言えない嫌な予感がした
それからイザナは夜遅くに彼女と繁華街へ行くのを避け
アジトに連れて来るようになった
鶴蝶も交えて賑やかに話していると、楽しくて時間を忘れてしまう
もちろん
2人きりの日の甘い雰囲気も好きだった
レイナが側にいることが、あたり前になっていく
そのことをふと思い出しては
イザナはいつも幸せな気持ちになるのだった
そんなささやかな日常が
ある日、突然壊れた
学校をサボり私服姿で午後の街をフラついていたイザナに、2人組の男が声を掛けてきた
「…黒川イザナ……チョット顔貸せや…」
「……誰だオマエ…」
「…□△のモンだ……ウチのボスが呼んでる…」
イザナは
その男の顔を思い浮かべた
「……あんだけやられてオレに土下座までしたくせに凝りてねぇのかよ………フッ……上等だ…」
その界隈には既に名前が知れ渡り
喧嘩を売られることも少なくなっていたイザナは
面白半分について行った
連れて行かれた駐車場には
そのチームの人間、20人程が集まっていて
リーダーの男が中央で腕組みをしていた
「……オマエらまだこんなダセェ奴についてんのか…」
半笑いで煽るイザナを
リーダーの男は睨み付けた
「…黙れ……□△を敵に回したこと…後悔させてやる…」
次の瞬間
イザナは後ろから思い切り鉄パイプで頭を殴られた