第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
夜の山下公園をふたり並んで歩く
懐かしい
自分とは違うリズムの足音
合わせるように速度を落とすと
彼女はイザナを見上げて嬉しそうに微笑んだ
「……」
胸の奥がくすぐったくなって
思わず微笑み返す
『……ねぇ……まだ帰りたくない…』
「………分かった…」
公園を出た2人は、中華街の方へと向かった
週末で賑わう夜の街
人混みの中、はぐれないように繋いだ手があたたかくて
「離したくない」と思ってしまう
美しいモノをを見て
綺麗だねと笑い合える相手がいる幸せを
手を伸ばせば握り返してくれる温もりを
イザナは知ってしまった
彼女を失うなんて
絶対に、考えられなかった