第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
" ギター弾ける奴はモテる " という根拠の無い持論を持っていた真一郎は
その日イザナにギターの弾き方を教えてくれた
言われた通りに基本のコードを繰り返しながら
イザナがポツリと聞く
「ねぇ、セックスってどーやるの?」
その瞬間
真一郎は飲みかけていたコーラを勢いよく吹き出した
「ブーーーーッッ……ゲホゲホッゲホッ」
口元を拭いもせず
信じられないモノを見るように目を見開く
「……っ……イザ…………お…ま…………オマ…ェ……」
言葉にならない言葉を繰り返す様子に
何かを察したイザナは、ギターを置いて立ち上がった
「…ゴメン…やっぱ自分で何とかする」
バイク屋を出て、前に停めておいた単車に跨った時
真一郎が店から走り出てきた
「待て‼︎イザナ‼︎」
「?」
「……コレ……オレの大っっ事なお守りだ…………オマエにやるから財布に入れとけ…」
・
・
・
その時、真一郎から手渡された薄いピンク色の小さな袋は
言われた通り財布の中に入れてあった
それから自分でも色々と調べて、ひと通りの知識も身に付けた
後は
心の準備だけだった
「……」
『……イザナ………私のこと…ちゃんと彼女にしてくれない?』
「…へ?…今だって彼女だろ?」
『…っ…そうだけど…』
「…?…」
すがり付いていた腕の力を緩めて
レイナは身体を離した
『…………お試し…なんでしょ……私のこと…』
その顔がとても悲しげで
言葉に詰まってしまったイザナに、レイナは続けた
『………重いと思われると思って…言えなかったんだけど………私…ね……ホントは…ずっと前からイザナのことが好きだったの…………小学校で同じクラスだった頃から…ずっと…』