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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第4章 東京卍リベンジャーズ・羽宮一虎




「……分かっただろ…?……オレ、そういう奴なんだ。……こんな手で…君に触れられないよ…」


俯いていたレイナが
掠れた声で言う


『………ずる…い…よ………こんなに好きにさせてから…そんな事言うなんて…』

「……ゴメン…」

『……』

「……償う方法が分かんなくて……死のうと思った。……でも、止めてくれる仲間がいて……オレを"許す"って言ってくれた。……それで…死ぬのをやめたんだ。………でも、オレは自分の事が許せない。……人の人生奪ったオレが…笑ったり……誰かを好きになったりしたら……やっぱ…いけないんだよ…」


一虎はドアを開けて
部屋を出て行った





階段を降り
通りに出ると
広い坂道を海の方へ降りていく



(……オレみたいな奴は……もう…他人の気持ちに触れない方がいい…………きっと……お互いに苦しい思いをするだけ……)



オレンジの街灯が照らす海岸線をトボトボ歩いて
人気のない駅に着いた一虎は
ガックリとベンチに腰を下ろした


しばらく座っていると
遠くから踏切の警報が聞こえてきた

一虎は立ち上がり白線の側まで進む



踏切の音が近くなり顔を上げると
目の前で真っ黒な海がゴウゴウと唸っていた



(……もう……ここに来ることもないだろうな…………でも……これでいい……)



民家の間をすり抜けるように
近付いてくる江ノ電のライト



(……苦しいのは……もう嫌だ……)




その時
光の向こうから
自転車に乗ったレイナが姿を現した


『…待って!』

「……っ…」


ホームの手前の踏切でブレーキをかけた彼女を
次の瞬間
電車が隠してしまった














発車のベルが鳴り

江ノ電は次の駅へ向けてゆっくりと動き出す






電車が去ったホームには


立ち尽くす一虎の姿があった











ダメだと思っているのに

足が勝手に動いてしまう







一虎は改札を抜け

踏切を渡ると

レイナの前に立った










彼女は一虎を見上げると


静かな声で『帰ろう』と言った








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