第4章 東京卍リベンジャーズ・羽宮一虎
先に食べ終えた一虎は
レイナにすすめられてシャワーを借りた
バスタオルを首にかけた上半身裸の一虎がバスルームから出て来ると
明日の準備を済ませたレイナが交代で入った
レイナのシャワーは
すごく早かった
身体にピッタリしたTシャツに短パンを合わせて
髪の毛がビショビショのまま戻ってきた彼女を見た一虎は
呆れたように笑った
「…もっと落ち着いて入りなよ…」
『……何か、シャワー浴びてる間に一虎が帰っちゃうような気がしたんだ』
「………そんな事しないよ。…ほら、タオル貸して?」
一虎はタオルを受け取ると
彼女の髪をゴシゴシ拭いてやった
レイナは
目を閉じてされるがままになっている
「……」
一虎はそんな彼女に顔を近付けると
唇にそっとキスした
シャンプーの甘い香りが
鼻先をくすぐる
目を開けたレイナの表情が切なげで
気が付くと
彼女の身体を強く抱きしめていた
レイナの手が一虎の肩に触れて
細い指先が素肌の上を滑る
腕の力を緩めた一虎は
レイナの頬に手をあてようとして
ふと
動きを止めた
ゆっくりと身体を離した一虎を
レイナは不思議そうに見上げた
『…一虎…?』
「……ゴメン。……レイナの予感…当たりだよ」
一虎はそう言うと
シャツに袖を通し
玄関へ向かった
『……どこ行くの…』
「…やっぱり…帰る」
ボタンを止めながら靴を履く一虎の背中に
レイナが抱きついてくる
『……行かないで…』
「……」
『…どうして…急にそんな事言うの…?』
「……」
『……私が…嫌い…?』
「……っ…」
『………一虎…?』
一虎はレイナの方へ向き直り
静かな声で言った
「………オレ…さ……この間まで…刑務所に入ってたんだ…」
『……ぇ…』
「……中1の時……仲間の兄貴を殺して年少に入った…」
『……』
「……年少を出た後…今度は一番大切なダチを殺した。……"コイツだけは"って信じてたのに……自分の事…裏切ったと思って。……本当は…そんな事なかった。………誤解だったのに……オレは…この手でアイツを殺しちまったんだ…」
『……』