第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
残されたレイナは
イザナの方をチラッと見た後、女達とは反対の方向へ歩き出した
「……っ…」
目の前で起こった展開に呆然と立ちすくんでいたイザナは
慌てて後を追う
商店街の人混みの中を早足で歩きながら
レイナは独り言のように言った
『…どうして着いてくるの…』
「……」
イザナが何も答えないでいると
レイナは立ち止まり、後ろを振り返った
『…何か用?』
「……ぇ………あ…の………どこ…行くの…」
怖いモノも
失うモノも
何も無いはずなのに
彼女を前にすると
未だに緊張してしまう自分に戸惑う
おずおずと尋ねたイザナに
レイナは怪訝そうに眉をひそめた
『いま駅に行ったらさっきの子達にまた会っちゃいそうだから、どこかで時間潰すだけ。……ていうか…そもそもアナタには関係ないでしょ?』
その言葉を聞いたイザナは
" 別に友達というわけではない " とさっき彼女に言われたことを思い出した
「……」
『………どうしてそんな顔するの……私のことが嫌いなら…これまで通り放っといてよ』
「嫌いだなんて…そんな…」
『…じゃあ、何なの…』
「……」
『…………先に逃げたのは…黒川クンの方じゃない…』
「…っ…」
『……私に近付かれて迷惑だったんでしょ…』
「…違うよ!……嫌いなわけでも…迷惑だったわけでもないんだ…」
『……』
悲しそうに俯く彼女を前に
イザナは素直に頭を下げた
「あの時は本当にゴメン‼︎」
彼女を守るためだったとはいえ
約束を破って傷付けてしまった事を
ずっと謝りたかった
今さら何を言っても言い訳になってしまうと思ったイザナは
それ以上のことは言わず、黙って頭を下げ続けた